在宅ワークや副業が一般化しつつある今、自宅とオフィスの機能を兼ね備えた賃貸物件へのニーズが高まっています。自宅で仕事をすることで通勤時間を省き、自由な働き方が可能になりますが、物件選びにはいくつかの注意点があります。
本記事では、副業OKな賃貸物件の特徴や探し方、自宅兼オフィスとして活用する際の注意点をわかりやすく解説します。

1.自宅兼オフィスに向く賃貸とは?
1-1.事務所使用と住居使用の違いを理解しよう
賃貸物件には「住居専用」と「事務所可」または「SOHO可」といった分類があります。住居専用物件では、たとえ自宅で仕事をするだけでも、業務利用と見なされる行為は契約違反とされる場合があります。たとえば、以下のようなケースが問題になることがあります。
- 顧客の出入りがある(ネイルサロン・マッサージなど)
- 郵送物が事業名義で届く
- 外部との商取引に使われる
こうした用途を含む場合、「事務所可」「SOHO可」と明示された物件を選ぶことが重要です。
1-2.SOHO可物件の特徴とは?
SOHO可の物件は、住居とオフィスを兼ねられるように設計・契約されています。一般的なマンションと比べて次のような特徴があります。
- 住居と分離された業務スペースが確保されている
- 電話回線やインターネット環境が整備されている
- ある程度の業務利用が許可されている
SOHO可といっても、業種によっては制限がある場合も多く、事前に管理会社やオーナーへの確認が欠かせません。
1-3.自宅をオフィスにするメリット
自宅兼オフィスにはさまざまなメリットがあります。中でも以下のような点が多くのフリーランスや副業者に支持されています。
- 通勤時間や交通費の削減
- 時間を有効活用できる
- 家賃や光熱費の一部を経費にできる可能性がある(要税理士相談)
ただし、生活空間と仕事空間の境界が曖昧になりやすいため、仕事に集中できるレイアウトや習慣づくりも工夫が必要です。
1-4.物件選びで押さえておきたい視点
自宅兼オフィスとして利用する物件を選ぶ際には、以下のような視点でのチェックがおすすめです。
- 物件の使用用途(住居専用/SOHO可/事務所可)
- 騒音やプライバシーへの配慮(防音性・部屋数)
- インターネット環境の充実度
- 郵便物の受け取り体制(宅配ボックスの有無など)
また、家族と同居している場合は、仕事中の干渉が起きにくい間取りかどうかも見逃せないポイントです。
2.事務所利用可能物件の基礎知識
自宅を仕事場として利用するためには、「事務所使用可」や「SOHO利用可」といった表記のある物件を探すことが基本です。しかし、これらの表現は必ずしも明確な基準があるわけではなく、管理会社やオーナーによって判断が異なるのが実情です。
たとえば「SOHO可」と書かれていても、「住居として使いながらパソコン業務を行う程度」であれば許容される一方で、来客や打ち合わせを行うような利用はNGとされる場合があります。また、「事務所使用可」の物件は、用途地域の制限や防火基準など、建築法上の要件を満たしていることが多く、少し家賃が高めになる傾向もあります。
契約前には以下の点を確認しておくと安心です。
- 業種による制限はあるか
- 物販や来客の有無に関するルール
- 名刺やWebサイトに物件住所を掲載して良いか
- 法人登記が可能かどうか
実際の業務内容と物件の条件がミスマッチにならないよう、使用目的を正直に伝えたうえで契約することが、後々のトラブル回避につながります。
3.自宅兼用における注意点と対策
自宅を職場として使うことには多くの利点がありますが、同時に配慮すべきポイントも存在します。快適にかつ円滑に仕事を進めるためには、住空間と仕事空間を適切に分けることが非常に重要です。
たとえばワンルームや1Kのような間取りでは、仕事と生活の区別がつきにくく、オンオフの切り替えが難しくなることがあります。可能であれば2LDK以上で、1部屋を完全な作業部屋として使えるようにすると理想的です。また、リモート会議や電話業務がある場合は、防音性も重視したいところです。
さらに、騒音・光量・収納スペースといった基本的な住環境も見落とせません。以下のような対策が推奨されます。
- ワークスペースには遮音性のあるカーテンを設置する
- コンセントやLANポートの位置を事前に確認しておく
- 仕事に必要な書類や機材を収納できるスペースを確保する
このように、仕事の効率を上げる工夫と住まいとしての快適性の両立が、自宅兼オフィス選びには求められます。
4.副業OK物件の効率的な探し方
副業や在宅ワークに対応した賃貸物件を効率よく探すには、最初から検索条件を明確にしておくことがカギです。一般的な不動産ポータルサイトでは、「事務所可」や「SOHO可」といった絞り込み機能を活用するのが基本となります。
また、以下のようなポイントも押さえておきましょう。
- 「レンタルオフィス」「サービスオフィス」も選択肢に加える
- 初期費用が抑えられるシェアオフィス併設の物件を検討する
- 不動産会社に「副業可能な物件を探している」と明言する
最近では、フリーランスや副業ワーカー向けの特化型サイトや、IT系・クリエイター向けに設計されたSOHO物件なども増えており、選択肢は広がりを見せています。
検索効率を高めるには、自身の仕事内容と求める条件(来客の有無、登記の要否、家賃の上限など)を事前にリスト化しておくのがおすすめです。
5.まとめ
在宅ワークや副業が当たり前になった今、自宅とオフィスを兼ねた物件選びの重要性はますます高まっています。ただ便利なだけでなく、契約条件や住環境も含めてトータルで検討することが、自分らしい働き方を実現する鍵となります。
業種や使用目的に応じた物件を選び、快適な住環境を整えれば、副業や自営業もより充実したものになるはずです。自分に合った「働ける住まい」で、新たなライフスタイルをスタートさせましょう。
参考文献
- 事務所可のお部屋探しに関するルールと失敗しない物件選びのコツ|https://www.homes.co.jp/cont/rent/rent_00544/
- 普通の賃貸マンションのお部屋に【事務所使用】での入居はできるか|https://choeiroom-popolato.com/popocolumn/chintairoom/faq/post-707/
- 自宅兼オフィスにするメリット・デメリットとは?3つの注意点も紹介|https://karigo.net/blog/home_and_office/
- 賃貸を事務所兼自宅として使用する場合に注意すべきポイント|https://offi-cos.co.jp/column/p1813661/
- レンタルオフィスとSOHOオフィスの比較をしてみた!どっちがおすすめ?|https://www.officetar.jp/blog/2022/10/12/sharedoffice-soho-comparison/