電気代の請求書を見るたびにため息をつく。そんな悩みを抱えていたある共働きの子育て世帯は、“太陽光付き賃貸住宅”への住み替えを選びました。
近年、電気代の高騰やエネルギーコストの不安は、家計を直撃する問題として注目されています。特に共働き世帯や子育て家庭にとって、光熱費の負担は見過ごせない課題です。こうした背景から、初期費用ゼロで太陽光発電を導入できる「0円ソーラー」や、省エネ設計のZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様の賃貸住宅が注目を集めています。
この家族が住む物件は、太陽光パネルと蓄電池を備えたオール電化住宅。昼間の電力を太陽光でまかない、余剰電力は夜間に使用。結果として光熱費は実質ゼロ、さらには売電による副収入まで得られる暮らしが実現しました。家計のゆとりに加え、子どもたちのエコ意識の育成にもつながっているといいます。
電気代が家計を圧迫する時代に、「太陽光付き賃貸」は、賃貸派にとって新たな住まいの選択肢となりつつあるのかもしれません。
本記事では夫婦の体験談をまとめましたので、こちらを参考にしてもらえれば幸いです。
1.太陽光付き賃貸ってどんな仕組み?
1-1.ZEH仕様とは?エネルギー自給自足の賃貸住宅
ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、「断熱」「省エネ」「創エネ(太陽光発電)」を組み合わせて、家庭内で消費するエネルギーと発電するエネルギーの収支を実質ゼロにする住宅です。
とくに最近では、積水ハウスの「シャーメゾンZEH」や、千葉県浦安市の「ソーラーレジデンス北栄」など、賃貸住宅にもZEH仕様が広まりつつあり、エネルギー自給自足の暮らしが“現実”になっています。
ポイントは「高断熱構造で、冷暖房効率が高い」、「太陽光発電システムで電力を創出」、「蓄電池や熱交換換気でロスを抑える」の3つです。
これにより、エアコンの24時間稼働でも快適かつ電気代ゼロ、むしろ余った電力を「売電」して副収入を得ることも可能になります。
1-2.オーナー・入居者どちらが得する?
太陽光発電を備えた賃貸住宅の「売電権」が誰にあるかは、物件によって異なります。
例えば「ソーラーレジデンス北栄」では、電気代月約17.6万円相当(年間)のコストを太陽光と蓄電でまかなえる設計となっており、入居者の光熱費が実質ゼロになる仕様となっています。オール電化でも快適な室温を保ち、ペットや子育て世帯にも人気の物件です。
また、積水ハウスのシャーメゾンZEHでは、各住戸に設置された太陽光パネルが入居者ごとに紐づけられており、余剰電力を「自分名義で売電」することができます。夏には月4,000円程度の売電収入を得た家庭もあるとのことです。
つまり、選ぶ物件次第で「家賃を払って光熱費ゼロ生活+副収入」というWメリットが得られるのが、太陽光付き賃貸の大きな魅力といえるでしょう。
2. 実際に住んでわかった「光熱費ゼロ」の現実
2-1. 本当に電気代はゼロになるのか?
太陽光付き賃貸に入居したある共働き世帯が最初に驚いたのは、毎月の電気代が“ほぼゼロ”になったことでした。以前住んでいた賃貸では、真夏や真冬には電気代が月1.5万円を超えることもあったといいますが、ZEH仕様の新居では基本使用料も含めて0円に近い水準まで抑えられています。
その要因は、太陽光発電だけでなく、高断熱構造と省エネ機器の相乗効果にあります。たとえば、夏はエアコン1台でも快適に過ごせ、冬でも上下スウェットで十分な暖かさが確保できるほど。さらに温度センサーや熱交換型換気システムが自動で室内環境を調整してくれるため、年間を通じて快適な室温が保たれているとのことです。
2-2. 節電しなくても「売電収入」が得られる仕組み
注目すべきは、特別な節電努力をしなくても売電収入が得られる点です。たとえば、積水ハウスが提供する「シャーメゾンZEH」では、各住戸ごとに独立した太陽光発電の契約があり、余剰電力を電力会社へ売却できます。
ある入居者のケースでは、月に3,000〜4,000円程度の売電収入が得られていたそうです。この収入は光熱費とは別に振り込まれるため、「光熱費ゼロ」に加えて「ちょっとした副収入」も得られるという仕組みになっています。
なお、売電の手続きは賃貸契約と同時に完了するため、入居者が特別な申請や管理を行う必要はありません。住むだけで“得”をする新しいタイプの賃貸住宅として、注目が高まっています。
3. お得に導入できる「0円ソーラー」とは?
3-1. 「初期費用ゼロ」の仕組みと導入モデル
「0円ソーラー」は、太陽光発電を導入したいものの初期費用の高さがネックになっていた家庭に向けた、新しい普及モデルです。代表的な仕組みには、以下のようなものがあります。
- 屋根貸しモデル:屋根スペースを提供し、設置会社が発電・売電を行う
- PPAモデル(第三者所有モデル):発電会社が設備を設置し、使用した電力を入居者が購入
- リースモデル:設備を月額利用料で借りて使用する方式
中でもリースモデルは、「光熱費を削減しつつ、売電で収益も得たい」と考える人にとって魅力的な選択肢です。ただし、契約年数、途中解約の条件、保証内容などは必ず事前に確認しておきましょう。
3-2. 太陽光付き賃貸を選ぶときの注意点
太陽光付き賃貸を選ぶ際には、「発電設備の所有者は誰か」「売電収入を入居者が得られるか」を確認する必要があります。
物件によっては、オーナーが発電設備を所有し、売電収入もオーナーに入るケースもあります。その場合、入居者には電気料金の割引のみ提供されることになります。一方で、入居者が売電できる契約であれば、収支改善のインパクトはより大きくなります。
また、蓄電池の有無や、停電時のバックアップ電源があるかどうかも重要な確認ポイントです。災害時の備えとして安心感を求める場合は、蓄電池付きのZEH賃貸を選ぶと良いでしょう。
4. まとめ
太陽光付き賃貸住宅は、今や“特別な選択肢”ではなく、誰もが手に届く「新しい賃貸の基準」となりつつあります。
光熱費を実質ゼロに抑えながら、売電でプラスのキャッシュフローも実現できるこの住まい方は、家計にも環境にも優しい選択です。エネルギー価格が不安定な今の時代だからこそ、ZEH仕様の賃貸住宅に住むという選択は、将来の安心と持続可能な暮らしを後押ししてくれるでしょう。
電気代に悩むすべての人に、太陽光付き賃貸という“暮らしの選択肢”を知ってほしいという声が今、各地で広がり始めています。
参考文献
- ソーラーレジデンス北栄(浦安に住みたい!)
https://sumitai.ne.jp/urayasu/2024-05-24/130221.html - シャーメゾンZEHの住み心地(アメブロ:土呂不動産)
https://ameblo.jp/torofudosan/entry-12651604782.html - ソラトモサービスの概要(セイノーホーム)
https://seino-home.jp/blog/3189.html - IGNITUREソーラーの紹介(アイキョーホーム)
https://www.aikyo.co.jp/blog/20240625/ - 0円ソーラーの仕組み(ハチドリソーラー)
https://hachidori-denryoku.jp/solar/column/0%E5%86%86%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%80%80%E6%AF%94%E8%BC%83%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%84%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88/ - シャーメゾンに住む夫婦の体験談(OTEMOTO)
https://o-temoto.com/akiko-kobayashi/sekisui-house-zeh/