
2024年の日経平均株価は過去最高値を更新し、2025年もさらなる上昇が期待されています。
企業業績の成長・米国経済の安定・政府の政策が後押しすることで、日経平均は4万5000円を目指すとの見方が強まっている年です。
しかし、市場にはリスク要因も存在しており、投資判断には慎重な分析が求められます。
本記事では、2025年の日本株市場の見通しと、サラリーマン投資家が注目すべき投資テーマや銘柄を詳しく解説します。これからの相場に向けた戦略を立てるための参考にしてください。
1. 2025年の日経平均はどこまで上がる?市場予測と注目点
2025年の日経平均株価は、企業業績の成長と市場環境の改善を背景に、年末にかけて4万5000円を目指す可能性があります。
上昇を後押しする要因には、以下の3つが挙げられます。
① 企業業績の堅調な伸び
大手調査機関の試算によると、2026年3月期には企業の純利益が10%増加するとの予測があります。
2024年末で、日経平均の1株利益は約2,480円ですが、10%増益となれば2,730円程度に拡大します。
この結果、PER(株価収益率)16倍で4万3700円、16.5倍で4万5000円が見込まれ、株価の上昇余地は十分にあると言えます。
② 米国経済の安定と株高の影響
アメリカでは2025年にトランプ政権が発足した関係で、減税や規制緩和が進む見込みです。
これにより、米国市場は堅調な推移を続けると考えられ、日本市場にもポジティブな影響を与えるでしょう。
また、FRB(米連邦準備制度理事会)が慎重な利下げ姿勢を取ることで、景気の安定が見込まれます。
③ 外国人投資家の資金流入
2024年後半は外国人投資家の売りが目立ちましたが、企業の自社株買いや増配の動きが活発化しており、2025年は再び買いが強まる可能性があります。
2. サラリーマン投資家が注目すべき4つのテーマと有望銘柄
サラリーマン投資家は、仕事をしながら投資を行います。
そのため短期のトレードよりも、安定した成長が期待できる銘柄や長期的な視点でリターンが見込めるテーマを選ぶことが重要です。
そこで、2025年の日本株市場で注目される4つのテーマをピックアップしました。
サラリーマン投資家にとってリスクを抑えながら、安定した資産形成を目指す上で最適な選択肢となる可能性があります。
① PBR(株価純資産倍率)改善企業
東京証券取引所がPBR1倍割れの企業に対して改善を促しており、ROE(株主資本利益率)を向上させる企業が注目の的です。
PBRの低い企業が市場の評価を得るためには、収益力の向上や自社株買い、増配といった施策が求められます。
サラリーマン投資家にとって、PBR改善企業は安定した成長と株主還元の両立が期待できる魅力的な投資先になります。
特に、低PBRの企業は市場で過小評価されていることが多く、経営改革や資本効率の向上によって大きなリターンを生む可能性があります。
業種としては、金融セクターや鉄鋼業界の企業がこのトレンドに乗り、積極的な株主還元策を実施することが期待されています。
例えば、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が積極的な自社株買いや増配など、株主還元策を強化しているところです。
また、日本郵船(9101)は高い配当利回りを維持しており、投資家からの評価も高まっています。
さらに、日本製鉄(5401)は鉄鋼業界の中で先駆けてPBR改善に取り組んでおり、資本効率の向上を目指す姿勢が市場にとって魅力です。
② AI(人工知能)半導体関連
AI技術の発展により、半導体市場は今後も成長が見込まれる分野です。
データセンターや生成AIの発展により、AI向け半導体の需要は世界的に拡大しています。
特に、後工程に強みを持つ日本企業は、高付加価値な技術を提供し、国際市場での競争力を高めています。
サラリーマン投資家にとっては、成長性の高いこの分野に投資することで、中長期的なリターンを期待できるでしょう。
例えば、ディスコ(6146)が研磨・切断装置の分野で世界トップシェアを誇り、高精度加工技術がAIチップ製造の高度化に貢献しています。
また、アドバンテスト(6857)は半導体検査装置の分野で世界的なリーディングカンパニーであり、AIや次世代通信向け半導体の需要拡大に対応する体制を強化しています。
③ 防衛関連株
地政学的リスクの高まりと政府の防衛予算拡充により、防衛関連企業の安定的な成長が期待される分野です。
日本政府は防衛費をGDP比2%に増額する方針を示しており、長期的に防衛関連企業への資金投入が続く可能性が高いです。
また、防衛産業は政府の支援を受けやすく、景気の変動に左右されにくいため、安定的な収益基盤を持つ点もサラリーマン投資家にとって安心材料となります。
関連銘柄の例としては、三菱重工業(7011)が政府の防衛費拡充を背景に、防衛装備品の開発強化を進めており注目されています。
また、川崎重工業(7012)も、航空機エンジンや戦車などの防衛関連技術に注力しており、防衛産業の中核を担う存在として期待が高まっています。
④ 高配当&成長期待のテンバガー(10倍株)候補
成長性と収益安定性を兼ね備えた銘柄は、サラリーマン投資家にとって長期的に安心して保有できる投資先です。
特に、配当利回りが高く、かつ成長余地のある企業は、安定収益を確保しながら資産を増やす上で有力な選択肢となります。
都市開発やデジタルインフラの整備が進む中、不動産コンサルティングや広告関連企業が今後のテンバガー候補として期待されています。
霞ヶ関キャピタル(3498)は、「不動産コンサルティング」としてアセットマネジメント型のビジネスモデルを展開しております。土地取得から企画・出口戦略まで一気通貫で提供する独自性があって、ここ数年で急成長を遂げています。
また、表示灯(7368)は、駅や公共施設にある周辺案内地図の広告設置を主なビジネスにしており、安定した業績と高配当利回りが魅力です。
3. まとめ
2025年の日本株市場は、日経平均4万5000円を目指す展開が期待され、企業業績の成長、米国経済の安定、外国人投資家の買い戻しが株価を押し上げる要因となるでしょう。
このように、日本株市場は全体的に上昇トレンドが期待されるものの、リスク管理を徹底することが重要です。
サラリーマンにとっての投資戦略は「分散投資と長期視点」が大切になります。
成長企業への分散投資と高配当銘柄の活用を意識しつつ、米国経済の不透明感・国内増税のリスク・中国経済の低迷といったリスクにも留意が必要です。
2025年は、確かな情報と冷静な判断で、資産形成を成功させましょう!
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参考文献
Japan’s Nikkei seen rising 4.6% by end-June on stronger corporate outlook | Reuters
2025年相場の見通しと注目銘柄をピックアップ! | 株のことならネット証券会社【三菱UFJ eスマート証券】
【日本株】2025年、株式市場の見通しと注目テーマ・関連銘柄 | 和島英樹の発掘!注目株 | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア
2025年の日経平均が最高値を更新する2つの理由 「割り負けていた内需系企業の逆襲」の期待も | 市場観測 | 東洋経済オンライン
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1. Reuters「Japan’s Nikkei seen rising 4.6% by end-June on stronger corporate outlook」(2025)
2. kabu.com「2025年相場の見通しと注目銘柄をピックアップ!」
3. Monex証券「2025年の市場予測」