近年、日本国内の不動産価格の高騰や少子高齢化の影響を受けて、海外不動産投資に注目が集まっています。高利回りや資産分散の手段としてだけでなく、将来的な海外移住や外貨資産の確保といった観点からも魅力を感じる人が増えているのです。
一方で、海外ならではのリスクや手続きの複雑さもあり、「興味はあるけれど不安」という方も多いでしょう。本記事では、海外不動産投資の基本知識から、メリット・デメリット、具体例、初心者向けの始め方までをわかりやすく解説します。

1.海外不動産投資の基本とは?仕組みと人気エリアを紹介
海外不動産投資とは、日本国外にある不動産を購入・運用し、家賃収入や売却益を得る投資方法です。個人・法人を問わず、多くの投資家が資産の分散や利回り向上を目的にチャレンジしています。
投資対象となる物件には、バンコクのコンドミニアムなどの居住用マンション、米国フロリダ州の賃貸住宅といった戸建て住宅、商業ビルやオフィス、さらには土地やリゾート物件など、さまざまな選択肢があります。
また、国土交通省の資料によると、日本人投資家に人気のエリアとして、タイやフィリピン、マレーシアといった東南アジア諸国が挙げられます。ほかにも、オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア、アメリカやカナダの北米、イギリスやドイツなどの欧州が注目されています。たとえば、タイのバンコクでは利回り6〜8%が狙え、米国では長期的な資産価値の安定性が評価されています。
2.海外不動産投資のメリットとは?投資の可能性を探る
海外不動産投資には、国内では得られないさまざまな利点があります。ここでは、代表的な魅力について詳しく見ていきましょう。
フィリピンのセブ島では、利回り10%超のコンドミニアムも存在し、日本の都市部における利回り(おおむね3〜5%)と比較して収益性の高さが際立ちます。さらに、経済成長が続く国では家賃相場の上昇が見込まれることもあり、高い利回りを狙いやすい市場となっています。
また、米ドルや豪ドルなどの外貨で家賃収入を得ることにより、円安局面では円換算の利益が増加するというメリットがあります。これはインフレや日本経済の先行き不安への備えにもなります。
加えて、日本の地震リスクや税制変更に対する備えとして、地理的および政策的なリスクを分散させることができる点も魅力です。特に富裕層の間では、資産防衛の一環として海外不動産を活用するケースが増えています。
さらに、相続や贈与の選択肢が広がるのも特長の一つです。たとえば、シンガポールのように相続税が存在しない国もあり、日本に住む家族への資産移転手段として活用されることもあります。
そして、オーストラリアなど一部の国では、不動産所有者向けにビザ制度が用意されていることから、投資をきっかけに居住ビザを取得し、将来的に海外でのセカンドライフを実現することも可能です。
3.注意が必要!海外不動産投資のリスクと落とし穴
魅力的な側面がある一方で、海外不動産投資には注意すべきリスクも存在します。
まず、契約書や登記、税務申告などが現地の言語や法律で行われるため、誤解やトラブルの原因になることがあります。こうしたリスクを避けるためにも、現地に詳しい弁護士や不動産会社のサポートを受けることが重要です。
また、為替の変動も大きなリスク要因です。たとえば、米ドル建てで家賃収入を得ていても、円高になれば日本円に換算した際の利益が減ってしまいます。為替リスクへの対応策を事前に講じる必要があります。
さらに、海外の物件では現地の管理会社が日常的な管理や修繕、テナント対応を担うため、信頼できるパートナーの存在が不可欠です。現地で実績のある管理会社を選ぶ眼力も求められます。
そのうえ、日本ほど中古不動産市場が活発でない国もあるため、売却のしにくさという流動性の低さも考慮しなければなりません。突発的な現金化が難しいため、長期保有を前提とした計画が必要になります。
最後に、詐欺や架空物件といったトラブルにも注意が必要です。信頼できる情報源としてJETROや外務省などの公式情報を活用し、現地視察や法的チェックを怠らない姿勢が求められます。
4.初心者でもできる!海外不動産投資の進め方
まず最初にやるべきことは、自分がなぜ海外不動産に投資したいのか、その目的を明確にすることです。利回りを重視したいのか、資産を守るための分散か、将来の移住を見越しているのかによって、選ぶ国や物件タイプが異なってきます。
次に、投資先の国を選び、現地の不動産市場について十分な調査を行いましょう。たとえば、フィリピンは高利回りが期待でき、英語が通じやすい環境もあります。アメリカは法制度が整っており、住宅ローンの活用も可能です。また、オーストラリアでは不動産所有とビザ制度が連動しているケースもあります。
信頼できる仲介業者や管理会社を選ぶことも、成功への鍵となります。JETROや外務省、会計事務所のPwCなどが提供するネットワークや紹介制度の活用がおすすめです。
さらに、可能であれば現地を視察し、自分の目で街の雰囲気や治安、物件の状態を確認しましょう。オンラインでは得られない情報が多く、投資判断に直結します。
最後に、税制や法律面についても確認が必要です。二重課税を避けるための対応や、将来的にビザ取得に必要な要件などについて、現地の専門家と連携しておくことが安心です。
まとめ
海外不動産投資は、利回りの高さや資産分散の観点から非常に魅力的な選択肢です。しかしながら、情報不足や軽率な判断が失敗につながるリスクもあります。
成功を目指すには、現地の情報を正確に理解し、信頼できる専門家と組むことが何より重要です。投資目的を明確にし、現地の法制度を理解し、為替リスクにも備えたうえで、慎重かつ計画的に進めましょう。
まずは情報収集からスタートし、一歩ずつ確実に準備を進めていくことが、海外不動産投資の成功への第一歩となります。
参考文献
1. 海外不動産投資のメリットやデメリットは?国別の特徴も分かりやすく解説
URL:税理士法人 ネイチャー国産資産税
2. 海外不動産投資とは?メリット・デメリットと注意点、主な始め方
URL:東京スター銀行
3. 海外不動産投資とは?4つのメリットデメリットやリスク
URL:株式会社オープンハウス
4. 海外不動産投資の基本とリスク:押さえるべきメリットと収益のポイント
URL:asset-ocean.com
5. 海外不動産投資のメリット・デメリットを解説!リスクや注意点も紹介
URL:makes-g.co.jp+1税理士法人 ネイチャー国産資産税+1
6. 海外不動産投資のやり方は?投資の始め方や注意点も解説
URL:TECROWD+3dlife.co.jp+3税理士法人 ネイチャー国産資産税+3
7. 【海外不動産投資】成功する海外不動産投資の秘訣とリスクの攻略法
URL:jci-lab.com