日本企業の増配ラッシュが続いています。コロナ禍以降、企業の業績が回復し、株主還元策として増配を発表する企業が増加中です。
しかし、配当利回りが高いからといって、どんな銘柄に投資しても良いわけではありません。減配リスクの少ない企業を選び、安定的な配当収入を得ることが重要です。
本記事では、日本企業の増配トレンドの背景、高配当株投資のメリット、そして今狙うべき厳選5銘柄を詳しく紹介します。
1. 日本企業の増配が加速！今こそ高配当株を狙う理由
1.1 日本企業の増配トレンド
ここ数年、日本企業の増配が加速しています。その背景には以下の要因が挙げられます。
1つ目は企業の業績回復と安定化です。
コロナ禍による景気停滞を経て、多くの企業の業績が回復。特に、製造業や金融業を中心に利益が増加し、増配の余力が生まれています。
2つ目は株主還元の強化です。
東証がPBR1倍割れ企業の改善を促したことも増配の後押しに。株価純資産倍率（PBR）が1倍を下回る企業は、資本を有効活用できていないと判断されがちです。そのため、増配や自社株買いを通じて、株主還元を強化する動きが活発化しています。
3つ目は海外投資家の注目です。
日本株が割安と評価され、海外投資家の資金流入が増加。株主還元の強化が期待される企業は、特に注目を集めやすくなっています。
1.2 高配当株投資のメリット
高配当株への投資には、以下のようなメリットがあります。
1つ目は安定した配当収入です。
企業の利益の一部を配当として受け取るため、株価の変動に左右されず安定した収益を確保できます。特に、長期的に持ち続けることで、安定した資産形成が可能です。
2つ目は再投資による複利効果です。
配当金をそのまま再投資することで、複利効果を活用して資産を増やすことができます。長期的に見ると、複利の力は非常に大きなものになります。
3つ目はインフレ対策です。
物価が上昇すると、現金の価値は目減りしてしまいます。
しかし、高配当株は業績が成長することで配当が増える可能性があるため、インフレによる資産価値の減少を防ぐことができます。
1.3 銘柄選定の基準
今回紹介する高配当株は、以下の基準を満たした銘柄を厳選しました。
- 配当利回りが概ね3%以上（市場平均以上）
- 増配実績が豊富（5年以上の増配傾向など）
- 財務状況が健全で、減配リスクが低い
- PBRが1倍以下、または業績成長が期待できる
これらの条件を満たす企業は、長期的な資産形成に適した銘柄といえます。（なお、上記条件に合致するかどうかは、本記事作成時点のデータに基づきます。）
2. サラリーマン投資家におすすめ！高配当株5選
2.1 三菱UFJフィナンシャル・グループ（8306）
10年以上にわたって連続して増配を実施している実績のある企業です。
日本を代表するメガバンクの一つであり、国内外での事業展開が安定した収益基盤を構築しています。
特に、海外市場での事業拡大が順調であり、米国市場での成長が顕著です。
銀行業界は金利動向に左右されるため、利上げ局面では利益の増加が期待できます。
サラリーマン投資家にとって、安定した金融収益を持つ企業は長期的な資産形成に適しており、三菱UFJはその代表格と言えます。
2.2 KDDI（9433）
22期連続で増配を続けている実績を持つ、非常に安定した配当政策を実施している企業です。
日本の通信業界を牽引する企業であり、スマートフォン通信や光回線、金融サービスなどの多角的な事業展開が特徴です。
通信事業は景気変動の影響を受けにくく、安定したキャッシュフローを確保できます。
また、モバイル決済サービスや法人向けDX支援など、成長分野への投資も進めており、将来的な収益増加が見込めます。
長期保有に適した安定企業として注目すべき銘柄です。
2.3 日本たばこ産業（JT・2914）
20期連続で増配を続けている実績があり、安定した配当政策を持つ企業として知られています。
国内外でのたばこ販売を手がける企業であり、高い営業利益率を誇ります。
国内市場ではたばこ需要の減少が懸念されていますが、海外市場の拡大により、収益基盤を維持しています。
また、近年では加熱式たばこの普及が進み、新たな成長戦略が期待されています。
サラリーマン投資家にとって、長期的に配当を受け取りやすい企業です。
2.4 商船三井（9104）
商船三井は、業績に応じた変動配当制度を採用している企業であり、業績が好調な年には株主への還元を積極的に行う姿勢が特徴です。
日本を代表する海運企業の一つとして知られており、海上輸送の需要増加に伴って業績は堅調に推移しています。
特に注目すべきは、LNG（液化天然ガス）輸送分野での事業拡大であり、今後も安定した収益源として大きな期待があります。
海運業界は一般的に景気変動の影響を受けやすい業種ではありますが、商船三井はそのリスクを柔軟に反映できる変動配当制度を導入しているため、業績が良い局面ではしっかりと配当を増やす方針を採っています。
このような配当方針により、短期的に高い配当利回りを享受できる可能性があり、サラリーマン投資家を含む配当重視の投資家にとって、非常に魅力的な銘柄といえるでしょう。
2.5 オリックス（8591）
10年以上にわたって連続で増配を実施している実績を持ち、安定した株主還元を継続している企業です。
金融、不動産、インフラ、エネルギー事業など、多角化経営を進める企業であり、安定した収益を確保しています。
特に、再生可能エネルギーや海外事業への投資が進み、成長分野への対応力が高い点が強みです。
高い自己資本比率とキャッシュフローの安定性を持ち、長期的な視点での投資に適しています。
リスク分散がしやすく、安定した配当を得られる魅力的な銘柄です。
3. まとめ
高配当株は、長期的に安定した配当収入を得ながら資産を増やす手段として、サラリーマン投資家に最適な選択肢です。
最近では日本企業の増配が加速している魅力もあり、配当利回りが高く、かつ、減配リスクの低い優良銘柄を選んでいきましょう。
それには、安定した業績や増配実績のある企業を見極めることが重要です。
増配ラッシュが続く今こそ、高配当株投資を始める絶好のタイミングです。
企業の動向を定期的にチェックし、賢く資産形成を進めましょう！
・・・・・・・・・・・
参考文献
- SBI証券｜株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA
- 大型株の「配当利回りランキング」を15位まで発表！利回り6％超で1位のJTは“中立”、5％超で3位の日本郵政は“弱気”など、アナリストによる投資判断も紹介｜株式投資で儲ける方法＆注目銘柄を大公開！｜ザイ・オンライン
- 高配当株ランキング～2025年相場での活躍期待が高い高配当利回り銘柄 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
- 【高配当株】3月決算の大企業の配当利回りランキングベスト10！ 1位の｢商船三井｣、3位の｢日本特殊陶業｣など、利回りが高い＆投資判断が“強気”の株に注目！｜株式投資で儲ける方法＆注目銘柄を大公開！｜ザイ・オンライン
- 日本を代表する時価総額の大きい企業の配当利回りランキング | 投資のヒント | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア
- 日本経済新聞（企業の増配ニュースや株主還元策）
- 楽天証券マーケットニュース（個別銘柄の分析や配当情報）
- https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/
- IR BANK（各企業の配当推移・財務データ）
- 四季報オンライン（最新の企業業績や成長見通し）
- https://shikiho.toyokeizai.net/
- Yahoo!ファイナンス（配当利回りランキング、最新の株価情報）
- https://finance.yahoo.co.jp/
