
家が片付かないとなぜか心もザワザワするそんな経験はありませんか?視界に入るモノが多いだけで、脳は無意識に情報処理をして疲れてしまいます。
そこで注目したいのがリセット習慣です。毎日短時間でも家を整えると、心までスッキリ軽くなります。
本記事では、家を整えるメリットや、習慣化のコツ、実践アイデアなどを紹介します。無理なく始められる方法ばかりなので、ぜひ今日から取り入れてみてください。
1. なぜ家が散らかると心も疲れるのか
部屋が散らかっていると、自然と気持ちが落ち込みやすくなります。視覚から入る情報が多くなり、脳が常にストレスを受けている状態です。
さらに、片づけなければと感じる罪悪感が重なり、自己肯定感が低下する原因にもなります。家が整わない状況は、無意識のうちに心へ悪い影響を与えています。
また、散らかった空間は集中力を奪い、物事に取り組む意欲を低下させます。仕事や家事の効率も落ちてしまい、やる気が出ないと感じる悪循環に陥る原因にもなります。特に在宅ワークや子育て中の方にとって、居住空間の状態は心身に与える影響はとても大きいです。
気づかぬうちに積み重なるこの“無意識の疲れ”を解消する第一歩として、空間の整理整頓は非常に効果的です。身の回りを見直せば、心の健康を守るセルフケアの一つとなるでしょう。
2. 家が整うと心が軽くなる科学的理由
片づいた空間にいると、不思議と気持ちが落ち着きます。実際、整った環境はストレスを抑えるという研究結果もあります。例えば、東京大学新領域創成科学研究室による2018年の実験では散らかりが大きいほど、生理的ストレス反応が大きくなるという研究結果が報告されています。
整った空間は、脳にとって“安心できる場所”として認識された結果、心拍数が安定して呼吸も深くなり、自律神経が整いやすくなります。まるで自然の中にいるような安心感を室内でも得られる状態が片づいた家と言えるでしょう。
さらに、清潔で整った空間は自己効力感を高め、自分にもできたという達成感が得られます。この小さな成功体験の積み重ねが、ポジティブな思考につながり、日常への意欲も自然と高まっていくでしょう。
部屋を整えるという行動は、単なる掃除や片づけではなく、心を整えるセラピー的な意味合いもあります。だからこそ、習慣にする価値があります。
3. すぐ始められるリセット習慣の作り方
リセット習慣とは、毎日の終わりに家の状態をリセットする小さな行動といいます。
例えば、「寝る前にダイニングテーブルを拭く」、「ソファのクッションを整える」、「脱いだ服を所定の場所に戻す」などの習慣は数分で終わる行動ばかりです。
重要なのは、完璧を求めずたったこれだけでいいと思えるレベルの小さな行動から始めましょう。
やがてその行動が生活の一部となり、無理なく続けられるようになります。
時間帯を固定するのも効果的です。たとえば朝出かける前に玄関だけ掃く夜寝る前にキッチンを拭くと決めれば、リズムができて自然と習慣化しやすくなります。慣れてきたら、週に1回だけ冷蔵庫の中を整理する月に1回だけ書類を見直すといった少し大きなリセット習慣も取り入れると、より整った暮らしが手に入ります。
まずは自分が心地よく感じる小さな一歩から始めてみましょう。
4. リセット習慣を続けるための工夫とコツ
習慣は意識しなくてもできる状態になるまでが勝負です。そのためには、できるだけハードルを下げて継続するのが大切です。
まずは、自分が散らかりやすい場所を特定し、その一カ所だけを重点的に整えましょう。たとえば玄関の靴を毎日そろえる、洗面所のタオルを交換するなど決まった場所に意識を集中させると、取り組みやすくなります。そして、できたら自分を褒めてあげてください。小さな達成感が次の行動の原動力になります。
また、家族と共有すれば継続しやすくなるのもポイントです。みんなで5分だけ片づけタイムを作る、子どもが寝る前におもちゃを片づけるルールを決めるなど、楽しみながらできる方法を取り入れると家全体が心地よい空間になります。
続けるための1番のコツは、できなかったではなくできたに目を向ける習慣です。完璧を目指さなくても、昨日より少し整えられた今日は床がちゃんと見えるといった小さな変化で、十分価値があります。
心にやさしく、自分に合った続けやすい工夫を見つけましょう。
5. まとめ
家が片づくと心も軽くなると言われるのは、見た目の美しさだけでなく、心理的な安心感や自己肯定感にもつながるからです。
無理に完璧を目指さなくても、小さな習慣を積み重ねていくうちに、自然と片づいた家と軽やかな心が手に入ります。
短時間でできるリセット習慣を取り入れれば、毎日の暮らしがぐっと快適になるでしょう。
今日できる一歩を大切にすれば、日々の充実感もきっと増していきます。
本記事でお話した内容を元に家を片付ける習慣を身に着けてもらえれば幸いです。
参考文献
- McMains, S. A., & Kastner, S. (2011). Interactions of top-down and bottom-up mechanisms in human visual cortex. The Journal of Neuroscience, 31(2), 587–597.
- https://www.jneurosci.org/content/31/2/587
- UCLA Center on Everyday Lives of Families(CELF)研究報告(2009)
- 藤田クリニック整理整頓とメンタルの関係 https://beauty.fujito.clinic/orderliness/