「報告・連絡・相談」をしっかりしましょう！
新人の頃から何度も言われてきたこの言葉。 社会人としての基本であることは今も変わりません。

しかし、働き方が多様化し、コミュニケーションツールも進化した現代において、従来の「報・連・相」だけでは、上司の求める情報が正しく伝わらないケースも増えています。

上司世代と若手世代の間で認識のズレが生じやすい「報・連・相」。 この記事では、現代版「報・連・相」のポイントを分かりやすく解説していきます。

1. 上司は忙しい！ 報・連・相の前に考えておくべきこと

上司は、あなたの上司であると同時に、部署をまとめ、会社全体のことも考えなくてはならない、多忙なポジションです。「自分のことで手一杯なのに、上司の仕事まで考えられないよ…」そんな風に思う人もいるかもしれません。しかし、上司の状況を少しでも理解しておくことは、スムーズな報・連・相に繋がります。
上司に報告する前に、以下の3つのポイントを意識してみましょう。

1）結論を先に伝える

結論を最初に持ってくることで、忙しい上司はすぐに内容を把握できます。
例えば、上司に「A社との契約交渉についてですが…」と切り出す代わりに、「A社との契約交渉が成立しました！」と結論から伝えることで、上司は「交渉が成立したんだな。詳細を聞こう」と、スムーズに次のステップに進めます。

2）要点を絞って簡潔に

ダラダラと長い報告は、上司の貴重な時間を奪ってしまいます。
「要するに何が言いたいのか？」
上司からこのように聞かれた経験はありませんか？
報告する前に、重要なポイントを3つ程度に絞り込み、簡潔にまとめることを心がけましょう。

3）相手目線で伝える

「なぜこの報告をするのか？」
「上司は、何を知りたいのか？何を期待しているのか？」
自分の立場ではなく、相手目線で考えることが、分かりやすい報・連・相の秘訣です。

2. 【報告編】 上司を唸らせる！ 効果的な報告の仕方

上司に「分かりやすい！」と褒められる、効果的な報告の仕方は以下の通りです。

1）状況・結果・課題・対策を明確に

ただ起きたことを伝えるのではなく、その状況や結果、そしてそこから考えられる課題と対策をセットで報告することで、建設的な議論に繋がります。例えば、「ウェブサイトのアクセス数が先月比で10%減少しました。」と報告するだけでなく、「減少の原因として、競合サイトの増加や、季節的な要因が考えられます。対策としては、SEO対策の強化や、季節に合わせたキャンペーンの実施を検討しています。」のように、具体的な課題と対策を提示することで、上司は具体的な指示を出しやすくなります。

2）図や表を効果的に活用

数字ばかりが並ぶ報告書は、理解するのに時間がかかります。図や表を効果的に利用することで、視覚的に分かりやすく伝えましょう。例えば、売上データや顧客分析などは、グラフやチャートで表現することで、データの推移や傾向が一目で理解できます。

3）質問しやすい雰囲気作り

一方的に伝えるのではなく、質問しやすいオープンな雰囲気作りを心がけましょう。
「何か質問はありますか？」と聞くだけでなく、「この点については、まだ検討の余地があると考えています。何かご意見があればお聞かせください。」のように、上司の意見を引き出すような問いかけも有効です。

【具体例】

NG：「A社への提案について、先方担当者と打ち合わせを行いましたが、難色を示されました。」

OK：「A社への提案について、先方担当者と打ち合わせを行った結果、現状の価格では契約は難しいと判断しました。そこで、以下の2点の改善策を検討しています。（具体的な改善策）」

3. 【連絡編】 報・連・相はツールを駆使！ スムーズな連携術

連絡事項は、口頭だけでなく、チャットツールやタスク管理ツールなどを活用することで、よりスムーズに連携できます。

1. 緊急度や重要度に応じて使い分け

緊急性の高いものは電話、確認事項などはチャットツール、といったように、連絡事項の緊急度や重要度に応じてツールを使い分けることが重要です。

2. 報・連・相の記録を残す

言った言わないを防ぐためにも、記録を残せるツールを活用しましょう。後から見返す際にも便利です。
チャットツールであれば、過去のやり取りを簡単に検索できますし、タスク管理ツールであれば、誰がいつまでに何をするのかを明確化できます。

3）進捗共有で連携ミス防止

タスク管理ツールなどを活用し、進捗状況を共有することで、チーム全体でスムーズな連携を進めることができます。

4. 【相談編】 相談の前に準備すべし！ 上司の時間を有効活用

相談する際には、事前に以下の3点を準備しておくと、上司の時間を有効活用できます。

1）相談内容を事前に整理

何を相談したいのか、結論や要望を明確にしておきましょう。

「A社との契約条件について相談したいのですが…」ではなく、「A社との契約条件について、こちらの条件を提示したいと考えています。承認をいただきたいです。」のように、結論を先に伝えることで、スムーズな議論が期待できます。

2）考えられる解決策をいくつか用意

自分自身で解決策をいくつか考えておくことで、より建設的な議論ができます。
上司は、あなたの相談に乗るだけでなく、他の業務も抱えています。解決策を提示することで、「この件については、自分でしっかり考えているんだな」と、上司からの信頼度もアップします。

3）相談するのに最適なタイミングを見計らう

忙しい時間帯を避け、上司が相談に乗ってくれそうなタイミングを見計らって相談しましょう。
例えば、朝一番や夕方は避けて、上司が比較的時間に余裕のある午後イチに相談するなど、工夫してみましょう。

5. 報・連・相は信頼関係があってこそ！ 日頃からコミュニケーションを大切に

どんなに素晴らしい報告方法やツールを駆使したとしても、上司との信頼関係が築けていなければ、真の意味で「伝わる」ことはありません。
日頃から積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが、上司が喜ぶ、そして、あなた自身の成長にも繋がる、最高の報・連・相と言えるでしょう。

まとめ｜上司に「気が利く！」と思われるために

今回は、「報・連・相はもう古い？ 今どきの上司が喜ぶ報告の仕方」について解説しました。
現代のビジネスシーンでは、従来の形式的な報・連・相ではなく、相手目線に立った、より効率的かつ効果的なコミュニケーションが求められています。

今回ご紹介したポイントを意識して、上司から「気が利く！」と思われる、デキるビジネスパーソンを目指しましょう。