「副収入を得ようと投資を始めたのに、まったく増えない」「むしろ損している」
そんな悩みを抱えている人は少なくありません。
その原因は、投資そのものではなく“選び方”にあるかもしれません。
投資で副収入を得るには、感覚や流行に頼らず、確かな戦略と判断基準を持つことが不可欠です。
本記事では、よくある投資判断ミスとその裏にある心理、正しい商品選定法、そして副収入を得る人に共通する投資スタイルを、実際の事例とデータを交えて解説します。
読み終わる頃には、あなたの投資が収入源に変わるための第一歩が見えてくるはずです。
1. 投資で副収入が増えない3つの落とし穴
1.1 高利回りに飛びついてしまう
高配当株や高利回りファンドに魅力を感じ、「すぐにお金が増えそう」と購入する人が多くいます。
しかし、利回りが高い=リスクが高いということを忘れてはいけません。
たとえば、2022年に注目された日本株「商船三井(9104)」は、配当利回りが一時10%を超えましたが、2023年には減配と株価下落で多くの投資家が損失を出しました。
高配当株に頼る投資スタイルは、企業の業績に依存するため安定収入には不向きです。
1.2 SNSやインフルエンサーの情報を鵜呑みにする
「この銘柄が爆上がりする」「絶対儲かる」といった投稿がSNSに溢れています。
2021年に米国で起きた「GameStop株騒動」はその象徴です。Redditで煽られた個人投資家が大量購入し、株価は一時20倍以上に跳ね上がりましたが、最終的に多くが暴落で損失を出しました。「誰が利益を得ているか?」を常に意識することが重要です。情報の出どころが不明瞭な投資は、ギャンブルに等しい行為になります。
1.3 短期で成果を求めすぎる
副収入=すぐ収入になると考え、1〜3ヶ月で結果を出そうとする人ほど失敗します。
とくにFXや仮想通貨などの短期トレードは、経験と時間の両方が必要です。
2022年に起きた「Terra(LUNA)」暴落事件では、多くの初心者投資家が1日で資産の9割以上を失いました。
副収入は「急がば回れ」。長期でコツコツ増やす戦略こそが、安定した収入への近道です。
2.知らずに損する投資商品の選び方
副収入目的の投資において「選び方」は最も重要です。商品名や利回りに惑わされず、以下の要素で冷静に判断しましょう。
2.1リスクとリターンのバランスを見極める
高リターンには必ず高リスクがつきものです。
たとえば、S&P500(米国の代表的な株価指数)は、過去10年で年平均リターン約12.4%(2023年時点)という高い成績を残していますが、その分リーマンショックやコロナ暴落のような「急落」も経験しています。
「年利3〜5%」のインデックスファンドでも、長期的に見れば安定した副収入につながることが多いのです。
2.1 流動性(換金しやすさ)を確認する
副収入として使うためには、必要なときに現金化できるかどうかも重要です。
たとえば不動産クラウドファンディングは利回りが高く人気ですが、出金までに数ヶ月かかる場合もあり、急な出費に対応できません。
対して、上場投資信託(ETF)や上場株式は平日にいつでも売買できるため、生活資金としての副収入を目指すには好適です。
2.3税制優遇制度を活用する
税金の存在も無視できません。通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかります(所得税+住民税+復興特別所得税)。
しかし、「積立NISA」や「新NISA」「iDeCo」などの制度を使えば、利益に対して非課税になるため、手取りが大きく変わります。税制を味方につけることも、収入最大化の重要なポイントです。
3.副収入を生む人の投資スタイルとは?
ここからは、副収入を着実に伸ばしている人が実践している「稼ぐ投資スタイル」を紹介します。
3.1 インデックス×積立×長期の三種の神器
「eMAXIS Slim 全世界株式」や「SBI・V・S&P500」などのインデックスファンドに、毎月一定額を積立するスタイルが支持されています。
複利の効果により、毎月3万円を年利5%で20年積み立てると、最終的に約1,236万円になります(元本720万円)。
このスタイルの強みは、一時的な下落も時間が解決してくれること。副収入=安定収益には最適の戦略です。
3.2 副業や本業収入を投資に再投入する
収入を得て終わりではなく、再投資することで“収入が資産を生む”循環が生まれます。
たとえば月に5万円の副業収入をそのままS&P500に回すと、15年後には約1,290万円(仮に年利7%と仮定)になります。
このような「収入→投資→複利」の好循環こそが、真の意味で副収入を生む投資スタイルです。
3.3 自分のリスク許容度を理解する
「暴落時にパニックで売ってしまう」人は、そもそもリスク許容度が低いのかもしれません。
そんな人におすすめなのは、債券ファンドとの組み合わせや、バランス型ファンドです。
たとえば「楽天・インデックス・バランスファンド(債券重視型)」は、株式と債券を半々に保有するため、値動きがマイルドになります。
自分の性格と投資スタイルを一致させることは、続けるための最大の武器です。
まとめ
副収入が増えないのは、投資が悪いのではなく選び方が間違っているからです。
本記事で紹介した「避けるべき落とし穴」「知っておくべき選定基準」「稼ぐ人のスタイル」をまとめます。
- 高配当やSNSの情報に惑わされず、自分の判断基準を持つ
- 流動性や税制、リスクを考慮した商品選定が副収入の安定化につながる
- 積立・長期・再投資の3点を継続すれば、収入源としての投資が完成する
投資は難しそうに思えますが、正しく選び、正しく続ければ誰でも成果を得られる手段です。今すぐ投資スタイルを見直し、“増えない副収入”から卒業しましょう。
【参考文献・出典一覧】
- 金融庁|NISA制度について
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa.html - Bloomberg|GameStop株騒動
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-28/QN6HFADWRGG401 - CoinPost|LUNA暴落の解説
https://coinpost.jp/?p=344987 - 日経新聞|商船三井の減配報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC295Q10Z20C23A3000000/ - Morningstar|S&P500の年間利回り
https://www.morningstar.com/ - 楽天証券|複利効果のシミュレーション
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/special/compound.html - みずほ銀行|投資信託シミュレーション
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/fund/