忙しい会社員こそ、家計改善で「時間とお金」のゆとりを
「もっと貯金したい」「将来が不安だけど、家計を見直す時間がない」。そんな悩みを抱える30〜40代のビジネスマンは多いのではないでしょうか。特に共働き世帯や子育て中の家庭では、日々の忙しさに追われ、家計管理が後回しになりがちです。
しかし、実は1日たった10分の習慣だけで、年間10万円以上の無駄遣いを防ぐことができます。
本記事では、ワークライフバランスを重視する会社員が無理なく実践できる「家計見直し術」を、具体的な事例や統計データ、専門家の意見とともに紹介します。
支出管理はアプリ活用で手軽に習慣化できる
毎日の支出を意識するだけで、金銭感覚は劇的に変わります。まずおすすめしたいのが、家計簿アプリ「マネーフォワード ME」や「Zaim」の活用です。
これらのアプリは、レシートを撮るだけで自動で項目分けとグラフ表示まで行ってくれるため、通勤中の電車内でも数分で全体の支出状況が把握できます。
例えば、コンビニで1杯150円のコーヒーを週に3回購入する場合、年間で23,400円の出費になります。自動販売機での飲み物購入を控え、水筒を持参するだけでも、年間で約2万円の節約につながります。
このような“ちょっとした贅沢”が積み重なることで、思わぬ浪費が発生しているのです。逆に言えば、それを見直すだけで家計は大きく変わります。
総務省の「家計調査(2023年)」によれば、単身世帯における1カ月の食費平均は約44,000円、交通・通信費は18,000円、娯楽費は13,000円という結果が出ています。
このうち「なんとなく使っている支出」をアプリで可視化することで、自己管理力が高まり、無駄な出費に対する意識も変わります。
ファイナンシャルプランナーの横山光昭氏は、著書『年収200万円からの貯金生活宣言』の中で、「支出は見える化すれば自然に減る」と述べています。まずは支出を記録するだけで、節約への意識が芽生えて行動も自然と変わっていくでしょう。

固定費の見直しで継続的にお金を守る
変動費である食費や交際費は日々の生活で意識しやすいですが、実は見直しやすく、かつ効果が大きいのは固定費です。固定費は、一度の見直しで継続的な節約効果が得られるため、月に1回の10分でも十分に対応できます。
東京都在住の30代会社員Aさんの例を紹介します。大手キャリアの携帯料金から楽天モバイルに切り替えたことで、月額8,000円の通信費が2,000円に下がりました。また、不要な医療保険を解約し、月額10,000円の保険料が5,000円に減額。
さらに、動画配信サービスを3つ契約していたところを1つに絞ることで、月額3,000円が1,000円となりました。これらの見直しによって、Aさんは年間で約15万円の節約に成功しました。これは、1日あたり約410円を節約している計算です。
実際に固定費を見直す際には、まずクレジットカードの明細を確認し、自動引き落としされている項目を洗い出しましょう。そのうえで、各サービスの必要性を見極めてリスト化し、優先順位をつけて順次解約・変更を進めていくことが効果的です。
家計再生コンサルタントの横山光昭氏は、「固定費は気づかないうちに“借金”のように膨らんでいることがある」と述べています。
毎月かかる費用だからこそ、定期的なメンテナンスが必要であり、月に一度10分だけのチェックで、大きな節約につなげることができます。
週末の10分で家計を整える振り返り術
平日は忙しくて毎日アプリを開けない方には、週末の10分を使って1週間分の支出をまとめて振り返る習慣をおすすめします。Zaimなどのアプリには、1週間分の支出を自動で集計し、カテゴリごとに分類してグラフ表示する機能があります。
これを使えば、自分が何に使いすぎたのかが一目でわかり、改善点をすぐに見つけることができます。また、節約を継続するためには、単に支出を抑えるだけでなく、明確な目的を持つことが重要です。
例えば、「年末に家族で旅行に行くために月2万円を貯める」「子どもの学資保険のために毎月1万円積み立てる」といった具体的な目標を立てることで、節約へのモチベーションも持続しやすくなります。
最近では、資産運用を始める人も増えており、楽天証券やSBI証券などで積立NISAを活用する方が多くなっています。スマートフォンの証券アプリを使えば、投資信託の損益確認や保有資産の内訳、積立の停止・追加といった管理作業も1日10分で完結します。
家計改善で生まれた余剰資金を投資にまわせば、将来への備えも万全になるでしょう。
家計見直しに関するよくある質問
家計簿アプリの安全性について不安を感じる方もいますが、マネーフォワード MEやZaimといった大手サービスは、銀行レベルの暗号化技術を採用しており、個人情報の保護にも高い信頼性があります。
また、固定費の見直しは一見面倒に感じるかもしれませんが、実際には最初の見直しだけで月に数千円、年間で数万円の節約につながります。一度手続きを済ませてしまえば、その効果はずっと続くのです。
さらに、投資に対して不安があるという方も多いでしょう。しかし、積立NISAであれば、月1,000円からでも始められますし、リスクを分散するインデックスファンドを活用すれば、大きな損失を避けながら資産形成が可能です。まずは小さく始めてみることが大切です。
まとめ:家計の見直しは、今日からできる未来への投資
忙しいからこそ、今の生活と将来のために“たった10分”の習慣が効果を発揮します。節約や資産形成は、大きな変化ではなく、日々の小さな積み重ねから生まれるものです。
まずは、家計簿アプリをインストールしてみることから始めましょう。そしてクレジットカードの明細を見直し、不要な固定費をひとつ削減してみてください。
週末には1週間の支出をグラフで確認して次の1週間の予算を立ててみるなど、これらの行動が新しい家計管理の第一歩になります。月に1万円の見直しができれば、年間で12万円の貯金になります。
未来の安心を築くために、今日からできる10分間の家計見直しを、ぜひ取り入れてみてください。
参考リンク
総務省 家計調査(2023年)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/
マネーフォワード ME
https://moneyforward.com/
楽天モバイル公式
https://network.mobile.rakuten.co.jp/
mineo(マイネオ)
https://mineo.jp/
『年収200万円からの貯金生活宣言』横山光昭(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
https://www.amazon.co.jp/dp/479931017X